パ・リーグの野手では中島卓也(日本ハム)も苦しい状況だ。2015年には盗塁王とベストナインにも輝くなどショートのレギュラーとして活躍してきたが、2020年以降は成績が低下。昨年は一軍で6安打、今年も8安打と2年続けて寂しい数字に終わっている。

 水野達稀、上川畑大悟、奈良間大己などタイプの重なる二遊間の選手と比べると完全にチーム内での序列が下がっており、さらにドラフトでは守備に定評のある内野手の山縣秀(早稲田大)を獲得している。守備力はまだまだ高いだけに、何とかベテランの意地を見せてもらいたいところだ。

 近年は上位指名の選手であっても結果が出なければすぐに育成契約に切り替えられるなど、年々プロでの生存競争は厳しさを増している印象を受ける。今回取り上げた選手たちはその中でも長く生き残ってきただけに、来シーズンはその高い技術を発揮して一人でも多くの選手が復活してくれることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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