栃木県の那須御用邸に滞在中、沼ッ原湿原を訪れた皇太子ご夫妻(当時)と愛子さま=2002年8月、栃木県那須塩原市

 さらに、このとき、つげさんの記憶に強く残っているのが天皇陛下のお顔をピシャピシャたたく愛子さまだ。

「散策の途中で休息され、雅子さまに抱っこされた愛子さまが陛下のほほに手を伸ばし、ピシャピシャとされました。そのとき、陛下は愛子さまが可愛くてたまらないというのが伝わってくる笑顔をされていましたね」

 最近の出来事では、今年の夏、那須のご静養のときも、愛子さまが天皇陛下の顔にとまった蚊を払う瞬間が報じられた。そのときも天皇陛下はとても嬉しそうな笑顔をされていた。
 

愛子さまに注意されても嬉しい

 愛子さまとご一緒のときだけでなく、父娘の何気ないエピソードを語られるときの天皇陛下の笑顔もまた印象的だとつげさんは話す。平成20年の皇太子さま(当時)のお誕生日記者会見のときのことだ。

 その年の3月に学習院幼稚園を卒園される愛子さまの“成長エピソード”を記者から質問され、最後にこう語られた。

「愛子と一緒に手を洗っているときに,私が手に石鹸(せっけん)を付けている間に,水を出しっぱなしにしてしまい,愛子に水を止めるように注意されたことがあります」(平成20年「皇太子殿下お誕生日に際し」より)

 この日の記者会見で、一番の笑顔だった。「娘に注意されても嬉しい」という笑顔だったとつげさんは振り返る。

「このとき、愛子さまは6歳でしたが、陛下が水の研究をされているのを、もしかしたらご存じだったかもしれません。洗面所で『お父様、お水は大切にしましょうね!』と愛子さまから言われ、陛下は『これは、愛子に一本取られた!』と思われたのではないでしょうか」

 パパを注意するまでに成長した愛子さま。このときの喜ぶ笑顔には「天皇陛下も愛子さまもお互いに尊敬し、尊重し合っていることを感じます」とつげさんは話す。

 来月12月1日に23歳のお誕生日を迎える愛子さまだが、その成長を喜ぶ天皇陛下の笑顔がすでに思い浮かぶようだ。

(AERA dot.編集部・太田裕子)

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