石破氏は、慶応大学に入学する直前の18歳のとき、鳥取教会で洗礼を受けクリスチャンになる。今も鳥取教会で行われるクリスマスか元日の礼拝には欠かさず参加し、昨年のクリスマスイブのミサにも出席した。
松田さんは、石破氏が幼い頃から持ち続けた信仰が、政治家としての礎を築いていると話す。「悲しんでいる人や貧しい人、悩んでいる人に寄り添っていくのが自分の使命だと、聖書の言葉を通してよく話しています」
10月27日、自民党は第50回衆院選で大敗を喫した。「政治とカネ」を巡る問題で厳しい審判が下ったと見られるが、石破氏自身の変節も、大きく響いた。国会での与野党議論の重要性を訴えていたが結局、自民党の論理に取り込まれ首相就任からわずか8日で衆議院を解散した。期待が大きければ、その分、失望も大きい。自民党の惨敗は、石破氏に対する厳しい評価に他ならない。
石破氏を待ち受けるのはイバラの道か──。石破氏の信条は「勇気と真心を持って真実を語る」だ。政治の信頼回復は、自民党ではなく、国民と向き合った先に、答えがある。(編集部・野村昌二)
※AERA 2024年11月11日号