対談は東証の応接室で行われた(撮影・佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)

(岩永)投資対象を増やすのは取引所の仕事です。そもそも株価指数に連動するインデックス型投資信託を上場させたのが、ETFのはじまり。

その後、貴金属、REIT(不動産投信)、債券などの指数に連動するETFも出てきました。運用会社の運用能力を生かしたETFも欲しいという要望に応えたのがアクティブETFです。

(水嶋)当社も3本のアクティブETFを運用しています。手前みそですが、「PBR1倍割れ解消推進ETF」がアクティブETFの中で純資産総額はトップです(2024年8月30日現在)。上場来リターンも好調に推移しており、順調に運用できています。

(岩永)ETFは信託報酬の中に販売会社への報酬が含まれないため、アクティブETFも比較的低コストで提供できます。

1日1回、算出される基準価額で取引する公募投資信託と違い、東証を通じてリアルタイムに売買できます。保有資産の透明性も高い。

(編集部)商品性としては優れていると思いますが、認知度が低いです。

(岩永)ETFで利益が上がると気づけば投資家は自然に買いに来るはず。

(水嶋)利益が上がるには、組み入れ銘柄の株価が上がらないと。

(岩永)日本の経営者のマインドが変われば株価はついてきます。

(水嶋)結局そこに戻りますね。S&P500や全世界株式などに日本人のお金が流れたのは、米国株が上昇していたから、これからも値上がりしそうだからという、シンプルな理由です。

(岩永)日本の経営者が「成長」をキーワードとするようになり、「赤字にならなければいい」から「成長し続けなければ」にすべての上場企業が変わることを期待しています。

取材・文/大場宏明、中島晶子(AERA編集部)

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編集/綾小路麗香、伊藤忍

AERA Money 2024秋冬号』から抜粋

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