「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は10月19日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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10月12日、コント日本一を決める『キングオブコント2024』の決勝が行われ、TBS系列で生放送された。ここ数年は、浜田雅功と局アナが司会を務め、松本人志が審査員の1人として出演するというのが通例となっていた。
2008年に番組が始まり、最初の数年はダウンタウンが2人で司会を務めていた。ダウンタウンの2人は『キングオブコント』のレギュラー出演者であり、大会そのものを象徴するような存在だった。
しかし、今年1月に松本が芸能活動を休止したことで、今年は史上初の「松本抜きの大会」ということになった。松本が抜けて、新たにシソンヌのじろうが審査員に加わった。
ふたを開けてみれば、大会は例年通りの盛り上がりを見せた。最終的には、2位と1点差、3位と2点差という僅差でラブレターズが優勝を果たした。
大会はつつがなく終了したわけだが、振り返ってみると、松本がいなかったことの影響が随所に感じられた。
東京03飯塚の覚悟
たとえば、審査員の中で最も芸歴が長い東京03の飯塚悟志は、実質的には松本に代わる審査員長のような立場に置かれていた。コメントをするときには、自分の審査の基準を明確にして、高得点をつけた理由だけでなく、低い点数にした理由も臆せずはっきり語っていた。
彼がそのようなスタンスで審査員を務めていたのは昨年までと変わらないのだが、今年はそこに審査員長的なポジションを背負う「覚悟」が感じられた。
さらに、印象に残ったのは、司会者である浜田がいつになくはしゃいでいたことだ。もともと、生放送のときの浜田は普段よりややテンションが高く、『キングオブコント』でもここ数年は自分から積極的にボケを放つような場面もあった。ただ、今年はそうやってボケまくる回数と勢いが段違いだった。
ダウンタウンとして司会を務めていた大会初期の頃には、浜田はここまでふざけまくる姿勢ではなかった。コンビとして出るときには、ボケるのは相方の松本の仕事だ。浜田は一歩引いて進行役やツッコミ役に徹する。