好きなことをやっているときってがんばるとかではなく、夢中。それこそ僕にとって、俳優は子どものころの「ごっこ遊び」の延長です。子どものころのごっこ遊びしていたときのまま今もずっと入り込んでいます。大人と言われる年齢になっても真剣に遊びに興じているこの感じが、すごく楽しいんです。
白人の男性にナンパされて
――俳優人生を振り返って一番印象に残っている出来事はなんでしょう?
中学のときの終わりの会で、いろんな職業が書かれてある冊子が配られて、そこに「俳優・芸能界」と書かれたページがありまして。初めて自分の夢を目の当たりにしたら過呼吸になってしまいました(笑)。けど、ここで目を逸らしていたら俺はずっと過呼吸のままやと思って、高校のときに色んなオーディションを受けたりしました。たくさんの出会いがあり、「東京に行った方がええ」って言われて東京の大学を受験して上京して、入学式のその日に仲良くなった大学の先輩とクラブのお立ち台で踊っていたら白人の男性にナンパされて(笑)。
で、そのご縁でモデル事務所を紹介してもらって、そこから俳優養成所みたいなとこに行って、今の事務所に出逢って……と。どの出来事1つ欠けても、今の俺はないんですよ。全部今に繋がっている。だから「これが」っていうのは選べないです。全部今の俺に欠けちゃいけない出来事だったから。
――40代後半に向かう中で、どんな俳優を目指し、何歳まで俳優をやりたいと考えていますか
目指す俳優像は本当に考えてないです。それよりも自分がやりたいことをやって、心から楽しんでやっていれば想像を超えてくるだろうって。年齢も制限は決めてないというか、自分が決めることではないと思うので。だから、「これからガンガンいってやるぜ!」って44歳の今、めちゃくちゃ前向きです(笑)
――先のことをいろいろ考えるよりも“今”に全力
今しかないからね。でも、これからは幸せや楽しさをキャッチする感覚をもっと研ぎ澄ませていきたいです。そうすれば人生はもっと面白くなるし、芝居もさらに進化すると思います。俳優を目指すきっかけが「うわ、楽しそうこの世界!」から始まったから、その感覚を大事にしたいんです。僕は仕事もずっと楽しく遊んでいるみたいな状態が一番強いと思っていて。ときに苦しさや悩みもあるけど「常に最高!」みたいな(笑)。その中で「こうしたい」みたいな欲も生まれてくるから、それでまた成長できるし、なるべく人生の楽しい時間を長くしていたいです。
(聞き手・近藤加奈子)
週刊タイムズの記者・三島(佐野玲於)は、世間を騒がせている“闇バイト殺人事件”の黒幕を調べるため、編集長の命でタイ・バンコクへ飛び立った。そこで三島を待ち受けていた人物は、2年前の“火だるま殺人事件”で三島に地獄を味わわせた、裏社会などあらゆる情報に通ずる情報屋の“インフォーマ”の木原(桐谷健太)だった。そして2人の前にインフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)が現れ、木原と三島は、“闇バイト殺人事件”をめぐり、現地マフィアをも巻き込んだ壮大な情報戦に飲み込まれていく。