――年を重ねるごとに憧れていた自分に近づいている?

 そうですね。子どものころって40代の自分ってあまり想像つかないじゃないですか。ワクワク妄想しまくっている自分がいたんですよ。5歳のときに映画を観て衝撃を受け、それからずっと夢見心地でした。けど、いざ俳優を始めたら苦しいことも辛いこともあって。だけどそういう経験があったからこそ今の自分がいる。嫌な出来事って「嫌な出来事が起きた」って思い続けたらそこまでなんですけど、「じゃあどうなりたい?」って自分に問いかけたら自分の行きたい方向の道標にもなるし、起爆剤にもなる。そしてそこには行けると信じています。

 当時はただ落ち込んでいるだけの時期もありましたが、そういう自分を子どものころの自分が見たら悲しむでしょうね。「せっかくやりたいことをやれているのに、なんでずっと落ち込んでいるんやろ」って。でもね、今も全員の心の中に子どものころの自分がいるはずなんですよ。色んな余計なものがくっついて感じにくくなっているだけで、子ども心に帰ってワクワクするっていくつになってもできると思います。

マラソンだって好きじゃなければ

――20年以上、第一線で活躍されています。長く俳優を続けられている秘訣は何でしょう

 考えたことないかもですね。好きなこと、やりたいことをやっていたら今があったという感じでしょうか。「好きだけじゃ仕事はできない」っていう人もいると思うんですけど、まず自分にとっては好きであることが大前提なんで。でも、好きで始めた仕事だから、そもそもそんなこと考えてなかったです(笑)。好きなことをちゃんとやり切ると決めて打ち込めば、嫌なことがあってもどこかで輝くと思うんですよね。あと、自分が喜ぶ覚悟を決める。そしたら良いことも起きやすいんとちゃうかな?

――それは俳優だけじゃなく、全てに対して共通しそうなマインドですね

 なので努力というより、やりたいことやってるので。それが他人から見れば「ようやってんな」って思われることでも。例えば、基本、子どもって宿題は面倒だなと思うのに対して、ゲームは何時間でもできるじゃないですか。それと一緒で好きなことは自分の心が一番良く分かっている。無意識に続けてしまう。マラソンだってそもそも走るのが好きじゃなければ42.195キロ走れないでしょうし、結果もついてこないから、「もうええわ」ってなる。

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