10月27日に行われた衆議院選挙で、自民党率いる与党が2009年以来初めて過半数を割り込むという歴史的な敗北を喫しました。この結果は、政治スキャンダルや生活費の高騰に対する有権者の不満が反映されたものであり、与党に対する「厳しい評価」となりました。
海外は、この結果をどのように評価しているのでしょうか? 「The Economist」をはじめとする海外メディアは、この選挙結果を日本の政治的不安定化の象徴と捉え、長年続いた自民党の政策継続性への懸念、つまり日本の政策意思決定が非常に遅れることを心配する意見が多数を占めていました。
辛口な批評
特に、「The Economist」は辛口な批評が目立ちました。というのも、先進国の中でも経済成長が緩やかな日本の株式市場が盛り上がっていたのは、「自民党一強による政治の安定=日本は政策運営が安定している国」とのイメージがあるからこそ。しかし、それが無くなってしまったことで、株式市場も変動が大きくなる可能性を示唆していました。
私自身も、「The Economist」の論調と同様に、株式市場は荒れるのではないかと思っていました。しかし、28日以降の株式市場は絶好調の動き! そして、急速に円安になっています。後付け分析になってしまいますが、下記のような推測が投資家の間で醸成されているのではないかと考えています。
まず選挙直後は、金融市場で円安傾向が顕著になりました。これまで自民党が安定的に政権を維持してきましたが、与党が過半数を割ったことで政治情勢が不安定になり、日本銀行による年内の利上げ観測が後退しました。そのため、一時的に円売りが進行したと考えられます。