同じ出来事が起きても、私たちの中には"悩むタイプの人"と"悩まないタイプの人"がいます。その差は一体どこにあるのでしょうか。北海道・札幌市を拠点に化粧品や健康食品を企画開発し、インターネットで販売をおこなう「北の達人コーポレーション」社長の木下勝寿氏によると、「『悩む人』と『悩まない人』の違いは考え方にしかない」とのこと。木下氏はここ20年以上まともに悩んだことがないそうで、それは人生が順調だからというわけではなく、「悩まない人の考え方」をインストールしているからだと言います。今回ご紹介する書籍『「悩まない人」の考え方―― 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』は、木下氏が仕事や他者、出来事などに一生悩まないためのスキルについて公開した一冊です。
何か問題が起きたとき、私たちの中には、思いどおりにいかないことに心が折れてゴールを諦めてしまう人もいるかと思います。けれど、それは途中のプロセスに過ぎず、別のやり方を考えて実行すればどうにでもなる場合も多いものです。
「『思いどおりにいかない』と『うまくいかない』を区別する――これこそが、『悩まない人』の思考アルゴリズムをインストールするための第一の原則である」(同書より)
人間関係でも同じことが言えるかもしれません。たとえば、職場にいる同僚のLくんのことが嫌いで仕方がなかったとします。けれど、思いどおりにならないからといってLくんに注意や指摘をしても、相手との関係性がさらに悪化する可能性もありえます。そこでやるべきは、「自分を変えること」。職場にLくんのことを不快に思っていない人がいたならば、「その人に『なぜ不快に思わないのか?』を聞いてみる。すると、『どのような価値観を持てば/どのような対処法を取れば、Lくんを不快に思わなくなるのか』のヒントが得られるはずだ」(同書より)とのこと。感情を排除して必要な改善点にだけ着目し、そのために最適な手段を考えていくというのも自分が悩まないための1つの策だと言えそうです。
このように、数多くの具体例を出して、悩む時間を削減するコツを教えてくれる同書。「ポジティブシンキングになろう!」というような抽象論ではなく、「悩まない人はどのような考え方をしているのか」という部分にフォーカスされているのが特徴です。この思考アルゴリズムを身につければ、今後の人生において無駄に悩む時間を大幅にカットできるかもしれません。仕事においてはもちろんのこと、人間関係や人生においても使えるこのスキル、皆さんも同書で手に入れてみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]