パフェの価格が良心的なのは「花やしきで遊んだ家族が、帰りに寄ってほしいな、と思っているから」だそう。
店でパフェを食べた生産者から「うちで作っている果物を使ってくれないか」と提案されることも多いそうだ。
「日本の果物の作り方って凄いんですよ。生産者の手のかけかた、技術が素晴らしい。生産者と親しくなると届いた果物も大切に扱うようになるし、一番美味しい状態で出したいと思います」
デザイナー出身だけあって後藤さんのパフェは綺麗だ。そしてフルーツが食べたことがないような味わいなのだ。
「果物を作るのは生産者、目利きは仲買人、となると僕たちの大切な仕事は『旬を見極めること』なんです。果物を仕入れてから、一番美味しい時期を見極めてお客様に出しますが、これが難しい。同じ箱でも個体差があるし、一個の果物でも場所によって味が違うので、確かめながらカットします」
本書には浅草に根ざした家族が生きた歴史と、生み出したパフェの魅力がつまっている。季節が変わる前にゴトーに行かなくては。
(ライター・矢内裕子)
※AERA 2024年11月4日号