25日放送の「それぞれの孤独のグルメ」(テレビ東京、毎週金曜0時12分)の第4話のゲスト主人公は、ユースケ・サンタマリア。同作は、ドラマシリーズ「孤独のグルメ」の特別編で、性別、年齢、職業も異なるゲスト主人公たちが、それぞれの“孤独のグルメ”を楽しむ時間をオムニバス形式で描かれる。ユースケ・サンタマリアの過去のインタビュー記事を振り返る(「AERA dot.」2021年11月4日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。
【写真】これぞカメレオン俳優!凛々しい戦国大名に扮したユースケ・サンタマリア
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ドラマや映画、舞台、バラエティーと幅広く活躍するユースケ・サンタマリアさん。芸名の誕生秘話や役者を主軸に活動する理由などを明かす。
「元ミュージシャンですよね?」と言われることがある。1990年代の前半、大分から上京したユースケさんは、最初、ラテンロックバンドBINGO BONGOのボーカルとして、芸能活動をスタートさせた。「サンタマリア」という芸名はそのときの名残だ。
「ひょんなことからバンドを組むことになって、でも当時の僕はラテンの楽曲なんて興味もなければ、歌ったこともなかった。事務所の人から、『本名が地味すぎるから、カタカナの芸名にしようと思う。“ティト”“ゴンザレス”“サンタマリア”なら、どれがいい?』って聞かれたので、『その3択ならサンタマリアですかね』って答えたら、そのまま28年ぐらい経っちゃって(苦笑)。いまだにこの名前には違和感あります」
90年代といえば、音楽業界やテレビドラマはメガヒットが量産されていた時期だ。ユースケさんは、バンドのボーカル時代に、今のK-POPブームを先取りしたような深夜の音楽番組「アジアNビート」の司会を2年間務めた。
「マネジャーから、『音楽番組の司会が決まりましたよ!』と言われて、制作会社に連れていかれたので、てっきりスタッフさんとの顔合わせだと思って、『よろしくお願いします!』『頑張ります!』とやる気を見せたら、それがオーディションだった。その怖いもの知らずの感じが受けたのか、司会に抜擢されたんです。当時は、怒られた記憶しかないですね。ラテンバンドのボーカルということで、わけもわからず陽気なキャラクターを演じていました」
音楽の世界に足を踏み入れてはみたものの、音楽一本でやっていける自信はなかった。すると今度は、日テレの深夜ドラマで主演が決まった。
「すごく実験的な枠だったんですが、なんとなく、芝居もやれるんじゃないかという根拠のない自信はあった。自分のイメージには届かなかったけれど、周りのスタッフさんが、『本当に初めて?』『これがオンエアされたら各局のドラマから引っ張りだこになるよ』とおだてられて。そのときは無知の強みで、満更でもなかったんです。でも、そこから1年ぐらいはオファーがなかった。そうしたら、当時のマネジャーが突然、『フジテレビのドラマが決まったぞ』と」
それが、後に映画化もされて社会現象を巻き起こした「踊る大捜査線」の真下正義役だった。