様々なタイプがいるシン富裕層

 私たちが富裕層に持つ一般的なイメージ、たとえば「お金持ちになりたい」というガツガツとした欲求の強さや、服装や車などに派手にお金を使って贅沢に暮らす人たちという姿からはほど遠い、「意外と地味。何事にも『我慢しない、力の抜けた人たち』が多い」のだという。「学歴は、皆さんおおむね低め」とも。どういうことか。

「学歴が高い人って、『我慢して努力して、積み上げて頑張ってきた人』ですよね。積み上げてきたから、より就職偏差値が高い会社を目指し、その先には社内の出世競争もある。ただ、我慢して積み上げる過程では、サンクコスト(すでに支払ってしまい、もう取り返すことのできないコスト)も積み上がっていく。こうなると、過去の積み上げから逃れられず、『新しいこと』に挑戦できなくなりがちなんです」

 一方でシン富裕層の人たちは、「お金持ちになりたい」という欲が薄く、投資などの行動も「好きだからやっている」だけ。我慢することをしないので、無駄なサンクコストはゼロ、いわば精神的にもフラットな状態。物欲や出世欲などとはそもそも無縁の人が多いのだ。

「お金持ちの中には、象牙でできたカフスボタンを着けてて『これ10万するんだよ』などと言う人いますよね。シン富裕層はそこがまったく違う。ユニクロで買った白のTシャツをラフに着こなして、力を抜いて思うがままに生きている。そんな印象の人が多いです」

 大森さんに言わせれば、そんな「シン富裕層」は人間的にもとても魅力的な人たち。かつ、たとえば「もう人生負け組だから」とか「この状況を打破するのは無理ゲー」などと言っている若い世代も、諦めず、学ぶべきことがたくさんあるはずだと話す。

「ラッキーなのは、いま勝ち組として成功している、いわゆるハイスペと言われるような人たちはみんな忙しいんですよ。でも親のすねをかじりながら何とか生活を維持しているような、自分が負け組と思っている若い人たちには、フリーの時間が山ほどある。生かさない手はありません」

 では、何をすべきか。キーワードは、「情報ビジネス」だ。

「世の中、『みんな知ってるようで知らないこと』って山ほどあるんです。たとえばテクノロジーの分野でも、グーグルって皆がじゅうぶんに使いこなしていると思いがちですが、年に何十個も新機能を出して、何十個も知られないうちにやめていたり。そんな『実は知られていない新しい情報』をいち早く理解して、とりまとめて、必要な人に必要な情報を与える。そこに自分の時間のすべてを『全振り』するんです」

副業も追い風

 多くの企業が副業を認めるようになりつつある、そんな流れも追い風になるかもしれない。ただ、いざ副業をやるとなったとしても、いきなりモノづくりや物販はハードルが高い。やはりインターネットやSNSを使った情報ビジネスが、いちばん手っ取り早いだろう。

「自分がモノにした情報を動画で発信して、必要とする『ファン』を100人つくれたら、1人5千円で月収は50万円です。いまは英語にもAI動画サービスで簡単に変換できるし、ビジネスを世界に広げるチャンスもある。新しいビジネスの形や情報を、いち早く取り入れれば、これからは時間がある人が勝つ。あなたも、シン富裕層になるチャンスはいくらでもあると思います」

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