1月の八王子市長選で自民党推薦候補の応援をする萩生田氏

情勢調査では野党と接戦

 萩生田氏の発言について先のA市議に聞くと、地元でも同様の発言をしているそうで、

「マスコミに囲まれて非公認について聞かれると、『反省している』『原点に戻って、すがすがしい』と言うのです。けど、格好つけて言っていることが見え見えです」

 今年1月の八王子市長選では、自民党と公明党が推薦、東京維新の会が支援した前都人事委員会事務局局長の初宿(しやけ)和夫氏が約6万3800票を獲得して当選。立憲民主党などが支持した次点の滝田泰彦氏は約5万7200票で、その差は約6600票だった。

 当時、すでに東京地検特捜部が裏金事件の捜査を進めており、初宿氏の当選時に萩生田氏は、
「胃が痛い思いだった。私がブレーキをかけてしまった」
 と裏金事件が選挙結果に響いたという認識を述べていた。

 その後、党から役職停止処分を受けながら党都連会長は継続していたが、7月の都議補選で敗退したことで退任に追い込まれた。

 連立与党の公明党は、自民党が非公認とした西村康稔氏(兵庫9区)ら2人を推薦したが、萩生田氏は推薦されなかった。公明党幹部がこう話す。

「萩生田氏は裏金だけではなく、旧統一教会との関係もある。とても推薦は無理でした」

 萩生田氏にとって厳しい選挙戦。自民党の情勢調査では、萩生田氏は野党候補と接戦だったという。

 A市議は言う。

「萩生田氏は事務所開きでは、『教育の充実』という政策を訴えていた。聞いていた有権者は『裏金議員が教育って、子供に何を教えるのか』というような反応でした」

 東京24区では、ほかに参政党の與倉さゆり氏、立憲民主党の有田芳生氏、無所属の畑尻文夫氏、国民民主党の浦川祐輔氏、維新の佐藤由美氏が立候補している。

 ジャーナリストとして、旧統一教会の問題を徹底追及していたことで知られる元参院議員の有田氏は、
「統一教会の問題、裏金の問題にしても、あった事をなかった事にするわけにはいきません」
 と萩生田氏への対抗姿勢を明確にしている。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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