【謎文化】に逆らうと「サイレント減点」されてしまう
このような謎文化の問題点は、お客さん自身がその文化をもはや当然のように受け入れてしまっているので、注意されづらいということです。
相手にとって“当然”と思われているビジネスマナーができていないと、自分では気づかないうちにその相手のあなたへの評価が下がります。例えば私たちも電車や飲み屋さんでお客さんの個人情報を大声で話している人がいたら「ワキが甘い人だな」とは思いますが、わざわざ注意はしないですよね。
僕はこれを「サイレント減点」と呼んでいます。これは、「相手からそのまま注意されることなく、『静かに』先輩や上司から減点されてしまう悲劇」のことです。つまり、相手なりの常識に逆らっていることで、気付かぬうちに相手から単に「マナーが悪い人」認定されるリスクがあるということです。
「減点リスク」を最小限に抑える行動を
このような、【謎文化】はできるだけ知っておく必要があります。
ここで重要なのは、世間での「当たり前」と思われていることをしらみつぶしに確認することです。確認ができない場合には、「減点の可能性が低いほうを選択し続ける」のが最善策になります。
たとえば、「了解しました」は、「承知しました」に言い換えるほうが無難なのであれば、そうするに越したことはありません。他にもメールであれば、「~様」「~さま」も漢字の「様」にするようにします。また企業によっては「メールよりも電話が丁寧」だったり、真逆で「電話するよりもメールのほうが親切」ということすらあるので、そこは相手に確認をしてから振る舞います。
このような謎文化は「えっ?」と思うようなところにさも当然のように潜んでいます。したがって、自分が当たり前だと思っていることを確認していくのがコツです。
職場で出世する人は、こういった「余計な減点」になる要素は絶対に踏み外さず、サイレント減点リスクを最小限に抑えています。あなたの会社での過ごしやすさは「周囲からの評価」で決まるという基本を忘れないようにすることで、今より一歩、快適なビジネスパーソンライフに近づけるでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を抜粋し、取材を加えて書き下ろした特別な原稿です)