■いつかは幸せな家庭を

――9月には映画「ミステリと言う勿れ」の公開も控える。その先もスケジュールがびっしり埋まっているが、思い描く未来とは。今年36歳。そのプライベートにも注目が集まる。

松下:映画では菅田将暉さんと初共演しました。淡々とすごいことをやってのける人でしたね。長いセリフが多かったですが、ミスが全くない。裏でとても努力されているんだろうな、と。年齢的には僕のほうが上ですが、学ばせてもらうことばかりでした。

 菅田さんはご結婚されていて。僕もいつかは、とは思っています。「結婚しない」と決めていることはないですね。最近は周囲の友達がどんどん結婚していきます。焦りは別にないですけど、将来自分にとって理想的な家庭を築けたときのイメージをしたりすることはあります。妄想や想像は得意なんで(笑)。

 30代半ばになり、少し遠い未来に思いを馳せることも増えました。昨年、ドラマ「アトムの童(こ)」でご一緒した風間杜夫さんが、撮影が深夜までかかった時にポツリと「オレ、明日2回公演なんだよ」とおっしゃって。連ドラと舞台を縫っておられるわけですが、それって20代の発言じゃないですか(笑)。バイタリティーあふれる姿を見ながら、自分が70代になった時、果たして同じことができるだろうかと。僕は最終的には、静かなところでのんびりと暮らしたい。

 どのお仕事も好きなことなのですが、常に「自分にできるのか?」と問いかけながらやっていきたいと思っています。キャパを超えて無理してしまうと、体調を崩すなど周囲に迷惑をかけることにもなりかねません。この先も、いただいたお仕事と自分自身に丁寧に向き合っていきたいなと思っています。

(編集部・古田真梨子)

AERA 2023年6月5日号

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