「21年の10月26日には、眞子さんが結婚されています。この頃の佳子さまは、皇族としてきちんと公務に励んでいらした眞子さんへのオマージュといって良い服装を、時折なさっていましたね。かしこまったブルーのスーツの装いにも、そういう印象を受けました」
22年のガールズメッセでは、かしこまったスーツからレースのワンピに。
「ワンピースのピンクや白の花、そしてグリーンの枝や葉のモチーフは、カットワークのようにくっきりとしており、優しくも華やかな印象でした」
ピンクとグリーンの草花モチーフのレースのワンピースに、前がV字型に開いた襟無しの薄ピンクの七分袖のジャケット、それに合わせたアクセサリーは、一粒パールのイヤリング、ステーションタイプのネックレス、細いバングルタイプのブレスレットだった。
レースワンピの流れをくむように23年もフェミニン路線。白地にブルーの水玉のワンピースに、ブルーのノーカラーのジャケット。ワンピースは柔らかなジョーゼット素材で、ウエストはブルーのリボン形式のベルトでマーク。アクセサリーは、一粒パールのイヤリング、ステーションタイプのパールのネックレス、小粒のパールがアクセントになった細いバングルタイプのブレスレット。「ワンピースのフレアースカートや、長く垂らしたベルトのリボンが、歩みに連れて揺れ、フェミニンな印象でした」と青木氏は振り返る。
寄り添うファッション
20年、21年と慣例に則ったスーツから、フェミニンなワンピ、そして今年の水色のパンツスーツという変遷を、青木氏は「ガールズメッセに参加している、中高校生、大学生といった若い年代が親しみをもてるような、いわばその方々に寄り添うファッションを選択されているように思えます」と読み解く。
また、青木氏は佳子さまが“パンツスーツ”を選ばれたことにも着目する。
「パンツスーツは、数年前まで女子の就活では不利とみられていた時期もあります。しかし、近年は、女子の制服にスカートだけでなくパンツを選択できる中学校や高校も増えています。こうした風潮を鑑みると、ガールズメッセでの佳子さまのパンツスーツにあるメッセージを読み取ることもできると思います。佳子さまは『ジェンダー平等を含み、より良い社会を目指した取り組みを進める力』というお言葉を述べられています。まさに、今年のパンツスーツには、このジェンダー平等という思いが込められているのかもしれません」
佳子さまのファッションはなにかと注目される。そこににじむ思いも読み取っていきたい。(AERA dot.編集部・太田裕子)