――ハッピーとラッキーと、「幸せ」は言葉の意味が違うということですね。
及川:私たちが求めているのはウェルビーイングです。長期間の幸せなのです。ちょっと苦しい時期があったとしても、そのさきに成長する喜びがある。会える人が増える、できることが増える、自分の可能性が広がります。幸せを長期的なものとしてとらえたときに、どれだけ自己成長するか。成長がないと本当の幸せにはならないのです。
自己成長しない人は「I will」がないんですね。現状維持志向です。対して、成長の原動力は、自分はこうなりたいとか、こんな人と繋がりたいとか、こんなことをやってみたいという小さな「will」。それがあるかどうかです。楽に生きていきたいは、決して「I will」ではない。
いまの若い人たちが「ぬるく」なっているのだとしたら、自己成長の可能性を見せてあげる大人がいないんでしょうね。
私たち、ポーラでも「幸せ」を探求しています。2021年4月には「ポーラ幸せ研究所」を設立。幸せのメカニズムを科学的に分析し、ポーラで得た知見を社会に還元したいと思っています。
【後編へ続く】「一流とはなんだろう」ポーラ社長及川美紀さんがもがいた過去 「昇進試験」に落ちて気づいた視点