今季からオリックスでプレーする吉田輝星(写真提供・オリックス・バファローズ)
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 セ・パ両リーグともレギュラーシーズンの順位が確定した今年のプロ野球。クライマックスシリーズと日本シリーズは残されているものの、徐々に来シーズンに向けての話題も多くなる時期となった。特にポストシーズンのないBクラス球団は、いち早く巻き返しに向けての動きが必要となる。そんな下位に沈んだ6チームの中で、来年期待できそうな球団となるとどこになるのだろうか。

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 真っ先に挙げたいのがやはり昨年までパ・リーグ3連覇を達成したオリックスだ。今年は優勝争いに絡むことができず、先日中嶋聡監督の退任も発表され、来季は新体制で臨むこととなる。首脳陣に未知数な部分は多いものの、大きな強みはやはり投手陣である。今年もチーム防御率は優勝したソフトバンクに次ぐリーグ2位の数字を記録。故障者が続出し、規定投球回に到達した投手は1人もいなかったにもかかわらず、この成績を残しているところに層の厚さが感じられる。

 先発は実績のある宮城大弥、田嶋大樹に加えて2年目の曽谷龍平が大きく成長。チームトップタイとなる7勝をマークした新外国人のエスピノーザも今年で26歳とまだ若く、さらなる成長が期待できる。またエース候補の山下舜平大も前半は苦しんだものの、後半戦は3連勝を記録するなど復調の気配を見せた。

 ここまで名前を挙げた5人以外にも東晃平、高島泰都、斎藤響介、椋木蓮など上積みが期待できる先発候補が控えている。リリーフ陣は長年抑えを任せられた平野佳寿が大きく成績を落とし、マチャド、ペルドモと外国人への依存度が高いのは少し気になるものの、ルーキーの古田島成龍や新加入の吉田輝星、鈴木博志などが活躍を見せており、成績は決して悪くない。

 今年のように故障者が続出しなければ、十分にリーグトップを争う投手陣を構成できる可能性が高いだろう。課題となるのが打撃陣だ。チーム打率、得点、本塁打数はいずれも今季低迷した西武より1つ上のリーグ5位。リーグの打率10傑にランクインしたのは捕手の森友哉だけで、50打点以上をマークした選手は0だった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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