石田ひかり

母親役が最も似合う俳優

 姉・ゆり子とはキャリアの積み重ね方や路線は異なるが、やはり女優として存在感はピカイチの石田。エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、彼女の魅力をこう分析する。

「石田ひかりといえば、やはり1992年のドラマ『悪女』や『ひらり』で見せてくれた凛とした表情、はつらつとした演技が強烈なインパクトとして記憶に残っています。年月をへて彼女が今、さまざまな作品で母親役を演じているという状況には、勝手ながら感慨深いものがあります。近年では『監察医 朝顔』で上野樹里演じる主人公の母親役、映画『かそけきサンカヨウ』で志田彩良演じる主人公の母親役を演じていたのが印象的でした。個人的には富田靖子と並んで、今、母親役が最も似合う俳優の一人だと思っています。もちろん、単なるノスタルジーによるキャスティングではなく、それだけ俳優としての実力が備わっているということ。これからも愛情あふれる温かいまなざしで、将来を担う若い俳優たちを見守ってほしいですね」

 今後、母親役以外でも石田の演技を見たい視聴者は増えていきそうだ。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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