インタビューに応じる山田尚子監督(撮影/写真映像部・佐藤創紀)

受け取ってくれた人の人生や感性が素晴らしい

「面白かった」と言っていただけることは本当にうれしいし、作品に対して「良かったね」「すくすくと育ってください」という気持ちなんです。

 もし、作品を「良かった」と受け取っていただけるのなら、それは受け取ってくださったその人自身の人生や感性が素晴らしいから。そこに本当に胸を打たれます。

 各作品が唯一無二ですし、これから作る作品に対しても全く同じ気持ちで、すべてに対しておなじ「1」でありたいと思うので、「前回がこうだったからこうしよう」ということは考えないようにしています。

今は作ることに夢中

──日本のアニメが海外でも評価されるようになって久しい。国内外から注目される監督として、考えることはあるのだろうか。

山田 作品が海を渡ることには、純粋に憧れます。心の動きは国を超えると信じているので、海外の方にも作品を理解していただけることは、本当に幸せなことだと思います。

 海外に行くと「日本のアニメーションが好きだ」と聞くことも多いので、誇らしく思いますし、日本のアニメーションに発展してほしいと思っていますし、作品を作り続けていくためにはさまざまな努力が必要だと思っています。

 ただ、今はまだ作ること自体に夢中すぎて、そんな大きな視点ではお話はできないかもしれません。

 子どもの頃から「物を作る人」になることが夢でした。そのために頑張って勉強をしたり、好きなものをたくさん集めようとしていた自分が、私の中では今もまだ続いているのだと思います。

(構成 ライター 小松香里)

山田尚子監督(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
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