
進駐軍の管理下の競技場
国スポは、全国豊かな海づくり大会、全国植樹祭、国民文化祭とあわせて、天皇陛下と皇后雅子さまが行事のたびに開催地を訪問する「四大行幸啓」のひとつだ。
皇室と国スポとのつながりは古い。
日本スポーツ協会のウェブサイトによると、戦後の荒廃と混乱の中で、スポーツを通して国民に、とりわけ青少年に勇気と希望を与えようと、戦災を免れた京都を中心とした京阪神地域で46年、第1回大会が開催された。
天皇の出席は、47年に石川県で行われた第2回大会が最初だ。戦後の地方巡幸のために石川県を訪問していた昭和天皇が、金沢市での開会式を訪れた。
天皇が開会式に正式に出席し、おことばを述べるようになったのは、49年の第4回大会からだ。明治神宮外苑の東京ラグビー場(現・秩父宮ラグビー場)で開催された開会式に、香淳皇后とともに出席した昭和天皇が初めて「体育は、心身健康の鍵であります」とおことばを述べた。
当時の明治神宮外苑競技場は進駐軍の管理下にあったが、主競技会場として特別に借りることが認められたという。当時の朝日新聞には、帽子を右手に高く掲げて歓声に応える昭和天皇の写真が掲載されている。
これ以降、国体は両陛下が出席する重要な公務のひとつになっていく。