DJ KOO(写真右):1961年生まれ。TRFのDJ、リーダー。大阪芸術大学客員教授。日本盆踊り協会特別芸術顧問。DJの存在を一般に認知させたパイオニア的存在/SAM:1962年生まれ。TRFのダンサー、ダンスクリエーター。青山学院大学ジェロントロジー研究所客員研究員。あらゆるジャンルのダンスをバックボーンに持つ(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 新たなラップユニット「B.O.C」を結成し、小室哲哉さんが作曲・編曲を手がけたヒップホップナンバー「NARIYAMA NIGHT」でデビューしたDJ KOOさんとSAMさん。60代になってもエネルギッシュな活動を続けられる秘訣は何なのだろうか。AERA 2024年10月7日号より。

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――DJ KOOさんとSAMさんはDJとダンサーの活動の幅を広げた存在でもある。

DJ KOO:DJの後輩が僕からの影響を口に出してくれることはありますが、僕自身はあまりそういうことは意識せずに、とにかくフロアを沸かしてみんなを元気にしてきたつもりです。昔はDJの活躍の場はクラブやディスコくらいしかありませんでしたが、今はDJがいろいろなライブやイベントに出演することが当たり前になっていますし、TikTokで活動するインフルエンサーのDJまで登場している。ゲームやアニソンの世界にもDJがいます。僕は今、盆踊り協会のDJをやっていて、続けているといろいろなことが起こっていくと実感しています。

SAM:20代は自分がダンスがうまくなることしか考えておらず、30代で自分たちのダンスを人に見せることを強く意識し始めて、40代で後進を育てようと思い始めました。そして、50代になったTRF20周年の際に、ここまでやってこられた感謝の気持ちを込めて、一般の方が気軽に踊れるダンスを作りたいと考えた。そうやってできたのが、代表曲の「イージー・ドゥ・ダンス」をエクササイズ用にアレンジした「イージー・ドゥ・ダンササイズ」というDVDです。それによって、またダンスの新たな可能性が見えてきました。

――日本が超高齢化社会に向かっていくと言われ始めていた頃だったこともあり、高齢者の方に向けたダンスプログラムを考え始めました。周りの高齢者でダンスをやっている方や循環器系の医者であるいとこに相談したりしながら開発したのが、高齢者の健康を促進するための「ダレデモダンス」です。今そういったダンスにピンときていない若いダンサーも、いずれダンスで元気になることの大切さに気付いてくれると思っています。

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60歳を超えてもなお