AERAdot.が5月末に行ったアンケートから

 だが、これも却下された。「あなたが広報部にいるときはできるかもしれないけれど、いなくなったら続けられない」という理由だった。マユミさんは「いまどき、パソコンを使うなんて、特殊能力でもなんでもないのに」と嘆く。

「PTAってなんだろう?」

 2年目、運動会の写真をコラージュした表紙に「PTAってなんだろう?」と文字を入れ、会員に問いかけた。すると、「広報部長は不満があるみたい」と、うわさが広まった。

「ほかの保護者からの『当たりがきつくなった』と感じました」(同)

 会長からは「紙面の内容をよくするより、広報紙を作ることでの保護者の交流が目的の一つ」と諭され、PTAの目的に即した広報紙を作りたい、という訴えも「聞かなかったことにされた」

何も変わらなかった

 今春、3年間務めた広報部長を退任した。徒労し、心も傷ついた。

「結局、何も変わらなかった。広報部長を引き受けたことを後悔しています」(同)

 PTA問題に詳しい大塚玲子さんは近年、各地のPTAで改革が進みつつあることを実感している。課題をひとつずつ整理し、持続可能な運営のために取り組む人たちがいると感じている。だが、一方で、「子どもたちのために」という志を持ち努力をしても、マユミさんのようにうまくいかなかったケースも少なくないという。

「挫折して心が傷つき、『こんな目に遭うのだったらやらなければよかった』と言う人もいる。そこにどんな人がいるか、理解して協力してくれるか、結局は運の要素も大きいのです」(大塚さん)

両者の溝は深く…

 従来型のPTAに対し、改革派の怒りも一部で激しくなっている。

 2021年、大分市内の公立小学校に通う児童の個人情報を無断でPTAなどに漏らしたとして、保護者が校長を刑事告発した。警察は校長を地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで大分地検に書類送検した。同様の事案は長野県上伊那地域の高校などでも起きている。

 PTAや学校の関係者の実名をSNSにあげ、誹謗中傷する人もいる。

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「行き過ぎは誰も納得しない」