5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
【魅惑のアフター】子ども4人の忙しい毎日 散らかった家から目を背けていた「ダメな私」が片づけたら人生が変わり始めた
case.80 家も頭もパンパンだった環境が一変 夫・子ども4人/パートタイム
ライフステージが変わるときは、わかりやすい形の扉を開けて一歩を踏み出すとは限りません。ゆるやかな道を進む途中で、ふと周りを見渡したときに以前いた場所とは変わっている景色に初めて気づくということもあります。
そのタイミングで、生活の基盤でもある家の中を見直して片づけると、各段に暮らしやすくなります。ところが、忙しい毎日の中で周りを見渡す余裕もなくなり、ライフステージが進んだことに気づかないと、今の生活には必要のないモノが家の中に残って散らかるようになってしまいます。
中には、ライフステージが進んだことに気づいても、見ないふりをする人もいます。
「今までなんとなく流されて生活をしてきて、本質的なことと向き合っていなかった気がします。表面だけ取り繕ってきたというか……」
こう話してくれる裕理さんは、4人の子どもがいるママ。育児と仕事に精一杯で、モノが散乱している家をどうにかしようという気力も残っていなかったと言います。
夫婦で片づけが苦手。裕理さんは子どもの頃から3人きょうだいの中で1人だけ片づけられないというコンプレックスを持っていました。
「部屋の中だけじゃなくて、頭の中もやらなきゃいけないことがいっぱいでした。一旦、立ち止まりたいと思って、仕事の閑散期に合わせて2カ月お休みをもらったんです」
休暇を有意義なものにするために何かしたいと思っていた裕理さんは、たまたま家庭力アッププロジェクト®の存在を知りました。
「家のことも見直してみようかなと思っていたので、軽い気持ちで見てみたら45日間で片づけられるというのに惹かれて。2カ月も休みが取れることなんてこの先ないかもしれないので、ちょうどいいタイミングだなと運命を感じましたね」
いつもなら、1日6時間ほどの仕事を終えると食事の準備や子どもたちの習い事の送迎に忙しくて時間の余裕はありません。「今やらないと後悔する」と思った裕理さんは、参加することを決めます。
裕理さんが強く片づけようと思ったのには、二つのきっかけがありました。