お金というのは人と人とが協力し合うために作られたシステムだ(「協力し合うなんて綺麗事だ! お金さえあれば一人で生きていける」と思っている人は、ぜひ札束を持って無人島に行ってみてほしい。お金が燃料以外に使えないことに気づけるだろう)。
しかし、お金を払えば誰もが協力してくれるわけではない。そう考えるとお金を稼ぐ能力よりも何よりも、協力してくれる仲間を作る能力が最強であることは自明なのだ。
会社の仲間と協力できるなら、お互いに補い合うことができる。自分の得意な分野を磨いて、不得意なことは他の人に任せられる。すべてのことが中途半端にできる人ばかりいるチームよりもよほど強いチームを作れる。
出馬会見の中で、小泉氏は日本経済の衰退についても話していた。優秀で勤勉な日本人がたくさんいるのにもかかわらず、世界と勝負できる企業が新しく出てこないのは、出る杭を打つ風潮が強く、失敗が許されない社会にあるのではないか、と。
国の中にも仲間意識があれば、新しいチャレンジをする会社を叩こうとする人も減るだろう。仮に失敗したとしても、それはチーム日本として、次の挑戦に生かせるはずだからだ。
この「仲間意識」こそが、日本経済復活に必要なことではないだろうか。
※AERA 2024年9月23日号