今西憲之
「総裁選期間中は飛行機に乗らないでほしい」
長谷川氏は安倍派の所属で、前経産相の西村康稔衆院議員を慕い、
「西村氏が総理になれば、自分は官房長官だ」
とよく語っていたと、複数の安倍派議員が証言する。
だが、安倍派事務局長という立場だった西村氏は、裏金事件で党員資格停止処分となり、「失脚」した。
小泉氏の推薦人であるC議員はこう苦笑する。
「数少ない西村氏支援の長谷川氏が、なぜ小泉氏支持になったのか、正直わかりません。小泉陣営では選対本部の一員で、団体担当として、自民党と関係がある全国の業界団体などに応援を求めるような役割ですが、長谷川氏のパワハラはあまりに有名なので、本当はあまり動かないでほしい。うちはそれでなくても最有力候補とマスコミ報道され、誰よりも注目をされているので、余計に気を遣う。長谷川氏には、総裁選が終わるまで寝ていてほしいというのが本音。『総裁選期間中は飛行機に乗らないでほしい』という人もいました」
自民党の政務調査役だった、政治評論家の田村重信氏はこう話す。
「自民党の処分で一度は決着した裏金事件が、総裁選を機に蒸し返されている。旧統一教会の問題もしかり。推薦人や支援議員にトラブルや炎上があれば、総裁選の候補自身には直接関係がなくとも、バッシングされかねない。裏と表があって水面下の戦いが激しい総裁選ですから、仕方ない。総裁の座につくにはそういう暗闘に勝ち抜く胆力が必要ってことですね」
（AERA dot.編集部・今西憲之）
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今西憲之
大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は３０年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。
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