党のフランス研修中、パリのリュクサンブール宮殿を訪れた松川るい参院議員(左)と今井絵理子参院議員(松川氏のSNSから)
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 自民党総裁選は9人が出馬という異例の展開だ。党員・党友票と国会議員票が同じ割合となる1回目の投票ではだれも過半数は取れず、国会議員票が重みをもつ決選投票に進むのはほぼ間違いない状況。議員の支持の確保に必死な候補たちは、議員の「質」まで気にしていられないようだ。推薦人や陣営には、裏金議員はもちろん、いろいろ“お騒がせ”だった議員たちの顔が並んでいる。

【写真】上川氏の推薦人となった不倫報道で釈明した議員はこの人

「議員なら誰でも1票持っている。裏金議員も旧統一教会と関係ある議員もね。いくらお騒がせ議員だとしても、ムゲにはできない。しかし、そういう議員の支援が表に出ると党員票に響くので、どの陣営も頭が痛い」

 と話すのは、自民党の閣僚経験者だ。

小林氏の出陣式に“エッフェル姉さん”

 総裁選が告示された9月12日、小林鷹之前経済安保相の出陣式に、松川るい参院議員が姿を見せた。昨年、自民党女性局のフランス研修で、エッフェル塔の前でポーズをとった写真を投稿して大炎上し、党女性局長を辞任した“エッフェル姉さん”だ。また、政治資金パーティー収入の204万円を裏金にしていた裏金議員でもある。

 小林氏を応援するA議員は、こう話す。

「松川氏は高市氏の支援じゃないのかとみられていたのでびっくりしました。どうも前回の参院選で、小林氏が松川氏の選挙応援に行ったことのお返しもあって来てくれたようです。ただ、お騒がせな人ですから、総裁選の最中に『エッフェル塔』が蒸し返されて炎上することがないようにと、正直ヒヤヒヤ。毎日、SNSで松川氏について何かないか、検索して確認しています」

 小林氏が8月に出馬表明会見をしたときは、裏金議員が多数同席していたし、この日の出陣式には松川氏以外にも裏金議員が何人も顔を出していた。だが、小林氏が届け出た20人の推薦人に裏金議員の名前はなかった。

「出馬表明会見のときに10人を超す裏金議員が出席して批判を浴びたので、推薦人にはなっていません。裏金への対応は総裁選を左右するので表に出さないことにした」(A議員)

 裏金議員やお騒がせ議員は、推薦人名簿からは隠したということらしい。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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