JR那須塩原駅に到着した天皇ご一家。地元や各地から集まった人びとに歩み寄り、30分にわたり言葉を交わした=2024年9月12日、栃木県、地元の奉迎者提供
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 天皇ご一家が静養のため栃木県の那須御用邸に入る際は、JR那須塩原駅で集まった人びとと熱心に交流される。9月12日もご一家は歩み寄り、30分にわたりひとりひとりの話に耳をかたむけた。熱気がこもる場所で、陛下は額に玉のような汗を浮かべ、雅子さまも身の乗り出すようにして話に耳をかたむけた。愛子さまも疲れた表情ひとつ浮かべず、人びとの歓声や問いかけに、ふふっと優しくほほ笑んだ

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「陛下ぁ」「こんにちは」、「那須にようこそ」

 JR那須塩原駅から陛下と雅子さま、そして愛子さまがゆっくりと歩いてくると、「ワー」と歓声が起きた。

 ご一家をひと目見ようと、地元、那須塩原や県内の住民に加え東京や埼玉など近隣からも人が集まっていた。ご一家は、設置された奉迎ブースの端に歩み寄りそれぞれ丁寧に声をかけてゆく。

 ご一家のお声がけは、ひとりひとりと向き合い、ゆっくりと進んでゆく。奉迎者の熱中症を避けるため、令和に入ってから駅の建物の陰に入る場所に変わった。日は射さないものの風の通りがないため、蒸し暑い。

 人びとの歓迎に丁重に応じるため、それぞれ苦労されているようだ。今年、陛下の顔からは、玉のような粒の汗が噴き出していた。

雅子さまの視線は足元ではなく人びとへ

 雅子さまについては、去年、ご一家と奉迎者との間に置かれたプランターにつまずくというハプニングもあった。

 ご一家が訪問するたびに、駆けつけるという地元在住の女性は、こう話す。

「プランターが置かれていたために、ご一家と奉迎ブースの間には、1メートルほど距離がありました。雅子さまは、身を乗り出して私たちの声を聞いてくださっていた。ずっと私たちと目を合わせていますから、足元を見る余裕はなかったでしょう」

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「迫力満点」、と愛子さま