スポーツ紙デスクは、「シーズン途中に外国人補強に動いた方が良かったかなと感じます。巨人も春先から貧打が深刻でしたが、途中加入のエリエ・ヘルナンデス、ココ・モンテスが起爆剤になり得点力が上がった。助っ人外国人の活躍は未知数なので結果論になるかもしれないですが、打線に怖さがない。夏場の疲れで投手陣の状態が落ちるのは仕方ない。打線がカバーしなければいけないが、なかなか得点が取れないので白星を積み重ねられないのが現状です。このまま失速するようだと、CS進出も危ぶまれます」と懸念する。
「このままでは終わらないでしょう」
首位の巨人、リーグ連覇を狙う阪神に比べ、広島の戦いぶりには余力がなく、目一杯に感じる。だが、他球団の見方は違う。
在京球団の関係者がこう指摘する。
「戦いにくい相手であることは変わらない。得点が取れないことを指摘されますが、ローゲームで勝つ術を知っているチームなので、再び上昇する可能性は十分にある。このままでは終わらないでしょう。あとは新井監督の存在ですね。チームが苦しい状況でも常に前を見据え、ネガティブなオーラを発さない。ああいう姿勢はなかなかできないですよ。現役時代から修羅場を潜り抜けているので、メンタルが強い。選手の起用法を見てもまだムチを入れている感じがしない。不気味ですよ」
確かに新井監督は、勝っても負けても姿勢がブレない。先発投手が好投したときだけでなく、打ち込まれてベンチに戻ってきた際も労いの言葉を掛けている。大逆転負けした今月11日の巨人戦では、栗林が9回に2者連続四球と安打で無死満塁のピンチを招くと、新井監督が自らマウンドに行って「結果を気にせず、どんどん腕を振ればいい」と激励。悪い流れは止まらなかったが、試合後に「それだけ最後の3アウトを取るということが難しいということ」と擁護した。怠慢プレーには厳しい姿勢を見せる一方で、結果が出なかったことに対して選手を責めることは一切ない。