指原は本来、一歩引いて冷静に場を見られるプロデューサー気質の人間である。彼女自身も昨年放送の『さしフワご相談ナイト』の中で、女性タレントとしての自分の限界について語っていたことがあった。自分自身のことも冷めた目で分析できているので、何があっても動じないし、すでにタレント業とプロデュース業を巧みに両立させている。

 先日放送の『トークィーンズ』で、ニューヨークの屋敷裕政は指原のことを「女紳助」と呼んでいた。指原には島田紳助ほどの自我の強さは感じないが、プロデューサー気質のタレントであるという点は共通している。

 指原莉乃は空っぽの器である。しかし、空っぽだからこそ、そこにはあらゆるものを入れられるのだ。将来的にはプロデューサー兼タレントとして紳助を超える化け物になるかもしれない。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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