ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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 一見友人のように見えながら、裏で攻撃を仕掛けてくる「フレネミー」の存在に気づいたことはありませんか? Xフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんが、嫉妬から生まれるこの複雑な人間関係について語ります。人間関係の中での諜報活動のようなフレネミーの特徴と対策を国際関係の教訓から語った、著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお伝えします。

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 まるで友人の顔をして、実は誰かを敵対視して、攻撃してくる人を見たことはありませんか。こういった人のことを「フレネミー」と言います。

 フレネミーとは、英語の「フレンド」(友達)と「エネミー」(敵)をくっつけた造語です。最近では、女性誌などでもよく取り上げられるようになった言葉です。

 私に言わせれば、フレネミーとは諜報員のような存在です。

 諜報員は、たいていは善良な一般人を装っており、仲間のように近づいてきます。しかし、実は別の任務に従事していて、常に情報を引き出そうと暗躍しています。

 諜報員は、人間関係を最大限活用して暗躍します。逆に、人間関係があるところには、諜報員のような存在は必ず存在します。

 もしかしたら思い浮かぶ人がいる読者の方もいるかもしれませんが、一見すると味方のように思えるけれども、特定の誰かを失脚させようとしている人は、身近にいないでしょうか。
 

 フレネミーは、たいていの場合は、嫉妬から生まれてくる存在です。

 そもそも嫉妬とは「自分よりも上の立場にいる相手」かつ「自分が相手の立場にいる可能性があった」ときに生じるものです。

 だからこそ、嫉妬を抱きやすい、身近で自分に似ている存在には要注意です。

 同級生や会社の同期など、自分とは身近であるけれどもなぜか成功している人を見て、「憎たらしい」と思ったことはありませんか。

 自分よりも成功している身近な人物を見たときに、「自分も負けずに頑張ろう!」ではなく「あいつを引きずり下ろしてやろう」と思いがちな人間は、いつの間にかフレネミー化する場合が多いです。

 国際関係においても「隣国」というのは、どこの国も仲があまりよくありません。

 現代では、インドとパキスタン、アゼルバイジャンとアルメニア、韓国と北朝鮮、ロシアとウクライナ、日本と北朝鮮など、たくさんの例を挙げることができます。
 

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あまり共通点がない人との「可能性」