2021年7月、知事選で当選し喜ぶ斎藤氏の陣営。周囲には自民党議員の名前が多数並んでいた

斎藤知事の選挙資金は自民が丸抱え

 また、応援に入っただけでなく、斎藤氏の政治団体「さいとう元彦後援会」の21年の政治資金収支報告書を見ると、自民党が丸抱えで知事選を支援したことがよくわかる。寄付者にはずらりと自民党の国会議員が名を連ねているのだ。

 最高額は、西村氏が政党支部から寄付した500万円。西村氏の地盤である兵庫9区、明石市の自民党政党支部からも200万円が渡っている。

 渡海氏は政党支部から100万円、松本剛明総務相は政党支部と個人で130万円、山口壮元環境相は100万円など、兵庫県連の2000万円や県議、市議などをあわせると、自民党関連で4040万円もの巨額の寄附が確認できる。

 ちなみに、維新側からの寄附は約302万円と自民党の10分の1にも満たなかった。

 斎藤氏が選挙にかけた費用は、政治資金収支報告書と選挙運動費用収支報告書から5000万円程度とみられ、斎藤氏は自民党のカネなくして当選できなかったといえる。

1200円でポスター張りした文科大臣

 上脇博之神戸学院大学教授は、斎藤知事の選挙運動について、2022年9月に刑事告発をしている。斎藤知事が14人の選挙運動員に対し、「労務者報酬」名目で報酬として合計10万2000円の金銭を供与したことが、公職選挙法の買収罪にあたるという内容だった。金銭を受け取った14人の中には、兵庫1区選出の盛山文科相の名前もある。

 斎藤氏の選挙運動費用収支報告書を見ると、上脇教授が指摘する支出が確認でき、盛山氏は1200円を受領していると報告書に記載がある。

 斎藤氏の選挙中、盛山氏は自身のブログに、
〈さいとう元彦候補のポスター貼りを頑張っています〉
 と投稿している。

 地元の盛山氏の後援会幹部に聞くと、
「ポスター貼って1200円もらっているのか。大臣ともあろうものがセコすぎる」
 と呆れた表情だった。

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自民党が斎藤知事に引導を渡せない理由とは…