知事選の出陣式で支持を訴える斎藤元彦氏(2021年7月1日)
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 パワハラや「おねだり」など数々の疑惑が指摘されている兵庫県の斎藤元彦知事。斎藤氏が初当選した3年前の知事選では、維新とともに自民党も斎藤氏を推薦し、自民党の国会議員らが熱心に応援に駆け付けた。だが今や、応援した議員、とくに総裁選に立候補する人たちにとっては、斎藤知事を応援したことは消したい過去になっている。

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斎藤知事と高市氏が並ぶ動画

「記者会見で突っ込まれそうで嫌だな」

 こう苦々しげに話すのは、自民党の総裁選で高市早苗経済安保相の支援を予定しているA議員。手にするスマートフォンの画面には、知事選候補だった斎藤氏と高市氏が並ぶ動画が映し出されていた。斎藤氏を応援する「さいとう元彦サポーターチーム」が、知事選があった2021年7月に投稿したものだ。

 動画では、高市氏が、
「斎藤、頑張れ! 勝つぞ!」
 とこぶしを上げて応援。

〈さいとう事務所スタッフです。選挙戦10日目、7/10のダイジェストです。西村康稔大臣・高市早苗前総務大臣が応援に駆け付けてくれました。「さいとう頑張れ!」「期日前で投票してきた!」という応援の声をたくさん頂きました〉

 という文章が添えられている。

 A議員は、このことが総裁選に影響しないかと懸念する。

「箕面市長選のこともある。嫌な感じがする」

維新の市長選惨敗は「斎藤知事の影響」

 8月25日の大阪府箕面市長選では、維新の現職市長が惨敗。大阪府で維新が公認する現職市長が敗れるのは初めてだった。

 大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事は敗因の一つに、
「市民から『維新を応援しているんだけど、斎藤さん、おかしいんじゃないか』と言われました」
 と、維新が疑惑の斎藤知事を推薦し、県議会でも知事与党として擁護にまわっていることが選挙へ影響があったとの見解を示した。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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