高市早苗経済安全保障担当相

高市氏は「自民党への反省が一切ない」

 適菜さんは8月1日に新著『自民党の大罪』(祥伝社新書)を出版したが、これまでにないほど自民党への不信感が高まっている現状をどう見ているのか。

「昔の自民党と今の自民党は全く違う政党です。昔の自民党は、きちんとした保守的な側面もあったし、政党の中で議論ができる土壌があった。地方を中心に国民の意見をくみ取る仕組みもあったと思います。しかし、平成元年あたりからだんだんと変質し、政党の支持基盤も変わってきた。そして1994年に小選挙区比例代表並立制が施行され、政治資金規正法が改正されると、党中央に権限が集中するようになりました。そこからは自分たちで変化を求める政党ではなくなり、この30年間の自民党はどんどん腐っていった。だから、岸田さんが辞めて総裁が代わったくらいで、まともな政党になれるわけがないんです」

 とはいえ、9月12日告示、27日投開票で自民党の総裁選は行われる。出馬が取り沙汰されている11人の自民党議員の中で「総裁にしてはダメな議員」と「比較的まともな議員」を挙げてもらった。

 まず、適菜さんの評価が最も低かったのは高市早苗経済安全保障担当相(63)。特に保守層からは絶大な人気を誇る政治家だ。

「高市さんはこれまでの自民党に対する反省が一切ありません。日本をボロボロにした張本人である安倍(元首相)さんの意志を継ぐというのですから、何をかいわんやです。私は高市さんは自民党総裁うんぬんではなく、議員辞職すべきレベルだと考えています。23年、高市さんは立憲民主党の小西洋之参院議員から総務省の内部文書をもとに“政治的公平性”に疑義を持たれ、国会などで追及されました。それに対して、高市さんは『まったくの捏造(ねつぞう)文書』と答弁し、小西さんから『もし捏造でなかった場合、議員を辞職するのか』と聞かれると、『結構だ』と答えたんです。その後総務省が調べたところ、総務省の行政文書であったことが明らかになったのに、高市さんはまだ議員を辞めてない。こういう人がトップに立ったらかなり危ない」

 続けて、高市氏の次に“不適任”な人物として挙げるのは河野太郎デジタル相(61)。適菜さんは「ひとことで言うと幼い」とトップとしての資質を疑問視する。

「小学生がそのまま大人になったような感じです。スタンドプレーが大好きで、ピンク色のネクタイをつけて会見に現れたこともある。周囲からチヤホヤされたい人なんでしょう。褒められると、満面の笑みを浮かべてうれしそうだが、ちょっと批判されると怒る。そんな人に大事な外交は任せられません。自己愛が強すぎて、スタンドプレーを繰り返して現場を混乱させる人が日本のトップになったら危なすぎる。いつか大きな問題を起こさないとも限りません」

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