百条委員会の証人席に向かう斎藤知事

「必要な指導だと思っていた」

 これらの行為について、委員から「パワハラと認めないのか」と問われた斎藤知事は、

「当時としては必要な指導だと思っていたが、不快に思われた方がいたら反省したい」

 と言うばかり。委員が、「パワハラを認めた上で反省するということではないのか」とさらに問うと、

「パワハラかどうか私が判断するというよりも、百条委で判断されるのだと思う」

 と“逃げ”の答弁を繰り返した。

「知事が居座れば総選挙に影響する」

 この日の斎藤知事の証言に注目していたのは知事与党の維新だ。21年7月の兵庫県知事選で維新は斎藤知事を推薦し、大阪維新の会代表でもある大阪府の吉村洋文知事が何度も応援に駆け付けた。

 吉村知事は記者会見で、
「斎藤知事が県政を前に進められないと維新として判断したなら、辞職の要請、不信任も当然、選択肢に入ってくる」
 と斎藤知事に引導を渡す可能性を述べた。

 また、日本維新の会の藤田文武幹事長は31日、この百条委の証人尋問も踏まえて神戸市内で兵庫県議団と協議し、9月県議会に県議団が不信任決議案を出す「可能性はゼロではない」と述べた。

 背景には8月25日の大阪府の箕面市長選で、維新公認の現職市長が新人候補に惨敗したことがある。吉村知事は何度も箕面市に応援に入る中で、市民から、

「維新を応援しているんだけど、斎藤さん、おかしいんじゃないか」

 と斎藤知事の問題が選挙に影響したことを認めている。

 維新の大阪選出の国会議員の一人は、苦悩の表情でこう話す。

自民党は総裁選、立憲民主党は代表戦と盛り上がる中、維新のトピックとしては斎藤知事のスキャンダルばかりが連日報道されている。箕面市長選を見ても、維新の支持急落の原因の一つは斎藤知事であることは誰の目にも明らかだ。百条委員会で厳しく追及されても、斎藤知事はのらりくらりごまかしていたようにしか見えない。自民党は新しい総裁が決まれば、解散総選挙に打って出るでしょう。斎藤知事が居座れば大きく影響する。早く決断すべきだ」

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