パワハラや「おねだり」などの疑惑で兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、兵庫県議会の文書問題調査特別委員会(百条委員会)が8月30日、斎藤知事の証人尋問を初めて行った。この日はパワハラ問題に絞って質疑があり、斎藤知事は反省の言葉を口にしつつもパワハラは否定した。だが、9月2日、知事与党の維新の代表でもある吉村洋文・大阪府知事は「いろいろ思うところはある」と、近く斎藤知事に対する判断をする考えを示した。
【写真】斎藤知事の「居座り」に、決断を迫られているのはこの人
百条委員会が県職員を対象に行ったアンケートでは、伝聞も含めて斎藤知事のパワハラを知っているという職員が約4割にものぼった。だが、斎藤知事は百条委員会でパワハラを認めない証言に終始した。
県立考古博物館で開催された会合に斎藤知事が出席する際、入口の20mほど手前に車止めがあったため、そこで車を降りて歩くことになった斎藤知事が、激怒して周囲の職員を怒鳴りつけたという証言が複数ある。このことについて斎藤知事は、
「私の当時の認識としては車止めを取り忘れていたのではないかと思った」
「歩かされたことを怒ったのではなく、円滑な車の進入をきちっと確保していなかったことへの注意だった」
と自らの行為に非はないという答弁を繰り返した。
また、片山安孝副知事(当時)らと話し合いをしているとき、斎藤知事が激怒して5㌢四方ほどの大きな付箋のかたまりを片山副知事のほうへ投げつけ、「場が凍り付いた」という証言があることについては、
「片山副知事が国会議員に説明する、重要な案件の伝達内容を忘れていた。残念な思いがあったので、そのとき1枚の付箋を持ちながら聞いていたので、思わず卓上に放り投げた」
と、かなり証言と食い違う答弁。1枚の付箋を卓上に投げただけで、場が凍り付くだろうか。