学童野球を経験し、高校から硬式を始め甲子園の土を踏んだ長瀬教諭も「高学年以上の試合で、特に大会では盗塁や進塁を禁止する必要はないと思います」と私見を述べつつ、こう付け加えた。

「子どもの野球人口が多かった時代なら、盗塁を禁止するか否かという議論は起きなかったのではないでしょうか。大差がつけば、普段は試合に出られない選手をどんどん出場させられるというプラスの面もあったからです。子どもの野球人口が減少した今は、選手ひとりひとりをより大切に考えるようになったため、こうした議論が起きているのかもしれません。野球はこうあるべき、という大人の事情で決めるのではなく、学童野球の現場がどうなっているかをしっかり見て、その実情に合わせてさまざまなルールの工夫を検討していく必要があると感じています」

 100%の正解はない問題に、どんな選択をしていくのか。議論が続きそうだ。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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