7月に開かれた共和党大会の副大統領候補指名受諾演説では、こう強調し大歓声を受けた。

「米国は、権力の中枢から遠く離れて生まれた労働者階級の少年が、次期副大統領としてステージに立つことができる国だ」

以前は反トランプ派

 しかし、見捨てられた白人労働者の家庭から、上院議員になったため、極めて庶民的かと思うとそうではない。トランプ氏と同じほど過激発言が多い。

 実は前述の著書出版後は、強烈な反トランプ派で「トランプはヒトラーだ」「頭が悪い」「私は永遠に反トランプだ」と公言していた。しかし、上院議員選に立候補する直前、トランプ氏に頭を下げた。反トランプ派だったのは、「メディアが作り上げたトランプ氏のイメージに惑わされていた」というのだ。

 バンス氏は、ロースクール時代の同級生ウーシャさんと結婚し、2匹の犬とともに選挙戦によく伴って、ソフトイメージを印象付けようとしている。トランプ氏は、ハリス氏のことをすでに「意地が悪い」「頭が良くない」と誹謗(ひぼう)し、非公式な場では「雌犬」とまで言ったことが報道されている。バンス氏からのハリス氏攻撃はまだ聞かれていないが、今後は過激な発言が出てきそうだ。(ジャーナリスト・津山恵子=シカゴ)

AERA 2024年9月2日号より抜粋

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