2 家族の同意

  家族に黙って、ある日急に早期退職すると、たとえお金の問題が解決していようと、揉める原因になります。FIREを思い描いているなら、希望段階から家族に考えを共有しましょう。FIREという言葉自体は一般的になりましたが、いざ自分の家族がFIREするとなると違和感が生まれると思います。働き盛りの世代なのに、平日の昼間に家にいるとなると抵抗を感じる方が多いでしょう。十分に時間をかけて、FIREしたい思いを語っていきましょう。

  FIRE後、家でダラダラする訳ではなく、家事・育児・介護参加やボランティア活動など新しい生活を提案すれば納得してもらえる可能性が高まると思います。私の場合は、難病の父の介護や父の仕事を手伝うこともFIREの理由のひとつでした。

  また、自分のためにも、家族のためにも、急な変化を避けて、非正規雇用での短時間勤務を挟んでから、FIREするのも一案だと思います。労働時間を徐々に減らしていくことで、生活やメンタルをFIREにフィットさせるのです。私は時短社員を挟んでダウンシフトを経験してから、フルFIREしました。

3 ビジネスパーソンとしての自分への納得

  ビジネスパーソンとしての自分への納得、これは盲点でしょう。私もFIRE後に感じたことです。逃げるように会社を辞めたのでは、FIRE後に後ろめたさが出てくると思います。自分はビジネスパーソンとして失格だったなと、あとから思いたくないでしょう。そこで、自分自身がビジネスパーソンとして仕事をやり遂げた納得感や達成感というものを得ておくのが、FIREしてから意外に大切だったように感じています。

 私は、20代のとき従業員数千人の中で営業成績1位を取りました。40代では、S&P500に入る米国大企業の2社と単独で取引に成功しました。FIRE直前にも、複数の前任者が3年ほどできていなかった案件を1年以内に達成しました。これら結果は、FIREした今となって、自分のビジネスパーソン時代の誇りとなっています(失敗も少なからず経験しましたが〈苦笑〉)。

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のんびりが苦痛になった!