岡田監督の去就は?
この記事の写真をすべて見る

 リーグ連覇を狙う阪神が背水の陣を迎えている。

【写真】後任監督候補として有力視されるのはこの人

 昨年の8月は18勝7敗と大きく勝ち越してリーグ優勝に向けて突っ走った。今季もその再現が期待されたが、8月上旬のヤクルト戦から4カード連続の負け越しもあり、22日まで8勝10敗1分と黒星が先行する。首位・広島に5ゲーム差と厳しい状況で、広島より7試合多く消化しているため、今後は落とせない試合が続く。

 試合内容を見ると、自慢の投手陣が打ち込まれる試合が多く、試合を優位に運べない。先発陣は疲れの見えた村上頌樹がファームに降格し、大竹耕太郎は勝負所で痛打を浴びる場面が目立つ。守護神の岩崎優に球のキレがないことも気がかりだ。先発、救援共に安定感は広島の方が上だろう。昨年は2位広島との対戦成績で15勝9敗1分と圧倒したが、今年は8勝10敗1分と負け越している。

 シーズン前は阪神のリーグ連覇を占う予想が多かった。オフに目立った補強をしなかったが、現有戦力で戦えるという計算が立っていたからだろう。近本光司、中野拓夢、佐藤輝明、大山悠輔、森下翔太、木浪聖也と脂が乗り切った生え抜きがそろい、投手陣も安定している。他球団と比べても、総合力で阪神を上回る球団はない。だが、想定外の誤算が相次いだことで、課題が露呈した。

「佐藤、大山、森下が前半戦に状態が上がらず、ファームに降格したときにカバーする選手がいなかった。ノイジー、ミエセスの両外国人が機能しなかったことも痛手でした。新外国人選手を獲得する選択肢もあったが、シーズン途中の補強を見送った。貧打で苦しんだ巨人がヘルナンデスの加入で得点力が一気に上がったのとは対照的でした。若手の台頭が期待されましたが、頭角を現したのは前川右京ぐらい。木浪、梅野隆太郎の状態が上がって来なくても使い続けたのは信頼の表れかもしれませんが、チーム内の競争がなく雰囲気が緩く感じました」(関西の民放テレビ関係者)

次のページ
選手との温度差を感じる場面が