人気の秘密を探るべく会場に訪れた外国人来場者に「なぜ伊藤潤二展に来たのか」、伊藤潤二作品の魅力についてインタビューしてみた。

だんだんと不思議な気持ちに

アメリカ・ニューオリンズ在住のラックスさん(左)とゾーイさん(右)撮影すべて/原真紀子(朝日新聞出版・書籍編集部)

 アメリカのニューオリンズから来た女性の二人組、ラックスさんとゾーイさんは、この展覧会をReddit(2ちゃんねるのようなアメリカのSNS)で知ったと話す。展覧会を観た来場者が感想をスレッドに投稿していて、行くべきだと書いてあったそうだ。

「伊藤潤二作品の好きなところはどんなにグロテスクでも風変わりなところ。彼だけがこのアートスタイルを持っているわけではないが、非常に独特なので一目でわかります。それこそが本当に良いアーティストの証だと思います。『ジョジョの奇妙な冒険』と同じように」と話す。

中国・北京在住のモモさん(左)とモモさんの兄(右)

 中国の北京からの来場者、モモさんたち兄妹も中国のSNS、小紅書(中国版インスタグラム)の投稿で知ったそうだ。モモさんが最初に読んだ伊藤潤二作品は『富江』だが、モモさんの兄は『うずまき』だと話す。

 兄は「小学校の時に『うずまき』を読みました。その後も伊藤潤二の漫画をよく読んでいました。最初はとても怖いと感じましたが、だんだん面白くなってきて、不思議な気持ちになりました。そのうち彼の作品の審美について考えながら作品を見るようになりました」と話す。彼は映像監督の勉強をしているそうだ。

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