小泉進次郎元環境相
この記事の写真をすべて見る

 8月20日、小泉進次郎元環境相(43)が自民党総裁選に出馬する意向を固めたと報じられた。今回の自民党総裁選は11人もの候補者の出馬が取り沙汰されているが、小泉氏が出馬すれば、一気に本命に浮上する可能性もある。すでに出馬に必要な20人の推薦人は確保しており、旧派閥を横断的に40人以上の支援者がいるとされる。来週以降に出馬記者会見を開くとみられるが、小泉氏が出馬に踏み切った背景には何があるのか。

【写真】進次郎氏を上目づかいで見つめるクリステルさんはこちら

*  *  *

 小泉氏の父・純一郎氏元首相はかつて「50歳になるまで総裁選に出るな」とアドバイスしたとされる。それに対し、小泉氏は8月10日、ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組で、「私、今43歳ですけと、仕事上のさまざまな判断、決断をいちいちオヤジに仰ぎますか? 歩みを進めるのも引くも、自分で決めるのは当たり前のことだ」と語った。総裁選出馬については「今、言うべき時ではない」と明言を避けたが、出馬への意欲をにじませる発言だと注目を集めた。

 これまで、メディア各社の調査で「次の首相」として名前が挙がり続けてきた小泉氏だが、自らが出馬の意志を示すことはなかった。なぜ今回は“決断”を下したのか。小泉氏を推す菅義偉元首相の周辺はこう話す。

「進次郎にとっては、今がベストタイミングなんです。今回ほど“新鮮さ”が求められている自民党総裁選はないでしょう。もしここを見送って、3年後や6年後まで待ったら、今ほど新鮮さは求められない時代になっているかもしれない。『まだ若い』『経験不足』という世間の声があるのは本人もわかっているが、今ほどのチャンスはないとみているのだろう」

 人生には、巡って来たチャンスを逃すと2度目はない、という場面は多々あるもの。小泉氏にとっては、じっくりと待って得られる経験や知見よりも、最大限にアピールできる新鮮さを失ってしまうというマイナス面の方が大きいのかもしれない。

「進次郎にとって、菅さんと森喜朗元首相という大物2人が担いでくれるというのも心強いだろう。父の純一郎さんはかつて、森さんと同じ『清和研』(旧安倍派)に所属していたし、純一郎さんと森さんの縁も深い。森さんの影響力は今でも絶大です。しかし、進次郎がもし今回の総裁選に出ず、次は3年後、6年後となれば、今のようなキングメーカーとしての力は失っているかもしれない。一方、菅さんは政権は1年という短命でしたが、まだ元気で意欲は消えてない。進次郎で総裁選に勝つことは、菅さんの戦いでもあるんです。だから2人が力を持っている今のうちなんですよ。2人には健康問題もありますしね」(前出の菅氏周辺)

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
次のページ
地元・横須賀市民の反応は…