資産としての価値を保てること
1つ目が、住まいであると同時に「資産としての価値」を保てること。都心のマンション購入経験を持つ、夫の会社の先輩や同僚の影響も大きかった。いわく、購入時から大きく値下がりすることなく「売れる」、もしくは「貸す」ことができる物件を買うと、いざという時に身動きが取りやすいし、資産形成にもなる――。
実際、都心のマンションを購入し、数年後に住み替えのために売った先輩は、「購入時とほぼ同額で売ることができた」という。「この数年間、実質家賃がゼロだったようなもの」と笑う先輩を前に、「自分もそういう物件を選ぼう」と心に決めた。
必然的にエリアは都心に絞られた。特に重視したのが、駅からの距離だ。
不動産コンサルタントの本を何冊も読み、個別相談にも足を運んだところ、「駅から10分以内はマスト」「ターミナル駅から3キロ圏内を探すと良い」と言われた。資産価値を意識するなら特に立地が重要だという。そこで夫婦は、駅から徒歩5〜10分以内の立地かつ、ターミナル駅から3キロ圏内で物件を探した。
新築で、60平米以上あること
2つ目は、新築であること。これは妻のたっての希望で、「せっかく家を買うのなら、まだ誰も住んだことがない、新しい空間を手に入れたい」と思った。
新築マンション価格の高騰は知っているが、中古マンションも同様に高騰傾向にあると聞く。頑張って手が届くなら、新築を選びたい。資産価値という視点で言えば、築年数も大きな基準のひとつになる。当初は中古物件を探そうとしていた夫も、そうした視点から「新築を選んで損はないだろう」と判断した。
3つ目は、広さが60平米以上であること。今は夫婦2人だが、子どもはほしい。60平米程度あれば、夫婦2人暮らしでも子どもが1人増えても、フレキシブルに対応できる。
物件は、3つの条件がそろっていた。念のため、周辺の中古マンションも調べたが、新築とあまり変わらない価格で取引されている。「ここなら大丈夫だろう」と決めた。
かくして、念願の新築マンションに住み始めた2人。ピカピカの綺麗な物件で、駅も近くて通勤もしやすく、日々、快適に暮らしている。