日経平均は4万円に迫った

 新NISAでは全世界型や米国の株価指数に連動する投資信託が人気だ。株価の上昇とともに、こうした海外資産で運用する金融商品の価格も上がっている。

 日本の投資家は、株価の値上がりに加え、外国為替市場で進んでいる円安・ドル高の恩恵も受けている。日本円に対してドルの価値が上がった分だけ、こういったドル建ての海外資産の価値がかさ上げされるためだ。

 今起きているバブルが弾け、市場の混乱が生じた結果、外国為替市場でも仮に円安・ドル高が円高・ドル安に反転するようなことがあれば、こうした商品に投資している国内投資家が受ける打撃はより大きくなる。

 森永さんは言う。

「外国為替市場の影響が広がれば、資産価値が10分の1、最悪の場合は20分の1になる可能性だってあります。まさに資産が『溶ける』と呼んでいいような事態も想定しておくべきでしょう」

突然大量の売り

 金融市場は昔からバブルを繰り返してきた。森永さんは、今の状況は米国で1929年10月24日に起きた「暗黒の木曜日」によく似ていると指摘する。

「当時はそれまで『黄金の20年代』と呼ばれる空前の好景気で、経済や企業の実力を上回る異常な株価が続いていました。しかし自動車や家電といった、当時もてはやされてきた企業の株式が突然大量の売りを浴び、急落に転じました。世界恐慌の引き金を引いたこの大暴落によって、米国の株式市場はその後の3年間で90%前後も下落しました。当時の自動車や家電を、今のAI(人工知能)や半導体、宇宙に置き換えると、そっくり当てはまります」

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バブルの典型