「売買のシグナル」を知る

 横山さんは続ける。

「例えば5日線と25日線など、より短期の移動平均線と長期の移動平均線が交わった時が、売買のシグナルになると言われています。5日線が25日線を下から上方向に突き抜ければ『ゴールデンクロス』と呼んで『買いのシグナル』に、反対に、上にあった5日線が25日線を下方向に突き抜けると『デッドクロス』と呼ぶ『売りのシグナル』になるとされています」

 移動平均線など基本的なテクニカル分析の指標は、証券会社の取引画面でもチェックできる。ニュースや業績と合わせて参考にするとよいだろう。

 ただし、横山さんは、「株価のちょっとした上げ下げに一喜一憂してしまうような銘柄は避けたほうがいい」と指摘する。

「株価の上昇や下落に過剰に反応してしまうのは、その銘柄についての知識や理解が不足していたり、十分な自信が持てなかったりすることが大きい。『人気だから』『みんなが買っているから』という理由だけで投資をすると、株価がちょっと下がっただけでも不安になるものです」

その会社がつくる商品や手がける事業をきちんと理解したうえで、投資すべきだという。

「普段の暮らしのなかでも景気のよしあしはある程度感じられるもの。それと同じように、その会社や事業のことをわかっていれば、普段の生活のなかでその先行きについても肌感覚としてある程度意識できるようになるはずです」

(AERA dot.編集部・池田正史)

※投資は投資者の判断と責任に基づき行うのが原則です。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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