利益確定の目安は
「個別株に投資できる『成長投資枠』は年240万円、生涯で1200万円と上限があります。新NISAになって引き上げられたとはいえ、利益を伸ばすのにも限界があるということです。ですから、損切りを早めにするのと合わせて、十分な利益が出たと思ったら、そのつど利益を確定するように心がけるとよいでしょう」
株式を買った時点から、株価が10~20%値上がりしたあたりが利益確定の目安になるという。
「銘柄にもよりますが、株価が10~20%上昇するのには意外と時間がかかります。その銘柄が好きだったり、業績や株価の先行きに対して自信があったりすれば、利益を確定した翌年以降にまた同じ株を買ってもいい」(横山さん)
利益が出ていても、損が出ていても、いずれにせよ、早めの判断が重要になりそうだ。そのためには普段から株価をチェックしておく必要がある。
週に1度は株価の確認を
横山さんは次のようにアドバイスする。
「仕事や家事に追われて毎日チェックするのが難しいという人も、少なくても週に1回は見るようにしましょう。株価は景気や業績によって左右されます。その銘柄に関係のあるニュースは証券会社の取引画面でも見られますから、できるだけ把握しておきたい。特に3カ月に1度発表される四半期決算は株価にも直結します。必ず確認しましょう」
さらに株価の先行きを判断するうえで参考になるのが、テクニカル分析だ。過去の株価のデータや値動きのパターンから、今後の値動きを予想する。
このうち、投資を始めたばかりの人にとってもわかりやすい指標として横山さんが挙げるのが「移動平均線」だ。
移動平均線は、ある一定期間の株価の終値の平均値を線で結んでグラフ化したものだ。例えば「5日移動平均線」なら、過去5日間の株価の終値の平均値を毎日計算する。翌日以降も同じ計算をして、それぞれの平均値を結んでグラフにする。グラフの向きや動きには株価のトレンドが表れるとされる。
期間の取り方によって「5日線」のほか「25日線」や「75日線」といった種類があり、短期や長期の株価のトレンドがそれぞれ反映される。