兵庫県の斎藤元彦知事
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 兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラや贈答品の強要などの疑惑について、兵庫県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)は、8月から斎藤知事やその側近、県職員らの証人尋問をはじめる予定だ。疑惑について内部告発をした元西播磨県民局長も百条委員会に出席して証言することが決まっていたが、7月7日に亡くなった。自殺とみられている。

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 元局長が亡くなった原因は今となってはわからない。だが、
「経験者なので、心情はよくわかります」
 と語るのは大阪府池田市の職員Aさんだ。

百条委で証言する職員へ圧力

 Aさんはかつて、市議会が設置した百条委員会で証人として証言したことがある。
「職員として百条委員会で証言することは、さまざまな妨害もあって、とんでもない重圧でした」
 と振り返る。

 2020年10月、池田市の冨田裕樹市長(当時)が、市役所に家庭用サウナ、ベッド、電子レンジなどを大量に持ち込み、「生活の場」としていることがニュースサイト「デイリー新潮」などで報じられ、大きなニュースになった。ニュースサイトでは市役所内に設置された家庭用サウナなどを撮影した動画も公開され、冨田氏は「サウナ市長」として全国的に知られるようになった。その後、タクシー券や市役所駐車場定期券の不正使用、議会での虚偽答弁、市職員を大声で叱ったり自分がサウナなどで使ったタオルを洗わせたりするパワハラ行為など、冨田氏に関する疑惑が次々に浮上した。

 冨田氏は疑惑を否定したが、池田市議会は同年12月、冨田市長に関する調査特別委員会(百条委員会)を設置し、疑惑の調査を進めることになった。

 池田市の百条委員会では、数人の市職員が証言を求められたが、その中で唯一、公開の場で証言をしたのがAさん。市長に接することが多い秘書課職員で、最重要の証人だった。

 いずれも百条委員会が設置された兵庫県と池田市では、共通点がいくつかある。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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兵庫県と池田市の共通点は3つ