
まず、調査内容に、首長による職員らに対するパワハラが含まれていること。
次に、いずれも首長が選挙で維新の支援を受けていたこと。斎藤知事は選挙で維新の推薦を受け、冨田氏は疑惑が出た当時、大阪維新の会所属だった(後に離党)。議会での百条委員会設置については兵庫県議会、池田市議会ともに、維新は「反対」にまわっている。
そして、百条委員会の証人に対して、圧力をかけるような動きがあったことだ。
Aさんに最初の「圧力」がかかったのは、冨田氏への疑惑が報じられて間もないときだった。冨田氏の後援会長で、維新所属の大阪府議の親族であるT氏に、Aさんは呼び出された。その場には冨田氏の最側近だった、当時の元平修治副市長も同席。その当時のパワハラを示す録音が今も残っている。
Aさんは2人から、市役所内の動画などを外部に流した犯人扱いされ、
「まあ、一つの秘密漏洩にあたる。となると簡単にすむ問題やない」
「もうホント、いきつくところなってきたら、ホンマに懲戒処分せざるをえなくなってくる。そしたら変な話、名前は出る。犯人探しをしたいワケじゃないけど、そこまでいってしまったら、その人の人生おしまいや」
などと問い詰められた。
Aさんは情報源ではないと否定したが、T氏は冨田氏の「名代」のような口調で、
「実際に警察が入ってきたりして犯人捜しということになったら大変だ」
と迫り、「秘密保持契約書」という書面を提示し、冨田氏の情報などを外部に出さないよう、署名を強要した。
これについて、元平副市長は当時、筆者の取材に対し、A氏に「秘密保持契約書」への署名をさせたことを認め、
「冨田市長から事前に『こうして聞け』と指示があった」
とAさんへの恫喝に冨田前市長が関与していたことを認めた。
そして、Aさんが百条委員会に証人として出ることが決まると、その期日の直前に最大の圧力があった。