まだ子役のあどけなさが残る福原遙(2014年)

まいんちゃんは黒歴史ではない

 ある民放ドラマ制作スタッフは福原が躍進している理由のひとつに「まいんちゃん時代を黒歴史にしていない」ことをあげる。

「まいんちゃんというイメージから次の段階に移行する際、『どうやって福原遥に戻ったのか』と情報番組で明かしたことがありました。それによると、福原は昔の自分を視聴者が覚えていてくれるのがうれしく、今もまいんちゃんと言われることはうれしいと話し、『なので、そのままというか』と答えていました。他の役名でも呼ばれるように頑張りたいとは思っているそうですが、積極的に過去のイメージを払拭しようとは考えていないようです。ある意味、そんな余裕があるところも大人で、今の仕事に対して自信があるのでしょう。美貌を保ちつつ大人っぽく変化した福原ですが、来年以降、バリバリのキャリアウーマン役などもハマるようになれば、さらに評価は高まると思います」

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は福原の魅力についてこう語る。

「『舞いあがれ!』は確実に彼女を俳優として一回り大きくさせたと言えるでしょう。役の成長が彼女自身の成長とオーバーラップし、時に悩み、苦しみながらも前に進んでいく舞の姿を、まるでわが子を見るかのような温かい目で見守っていた人も多かったと思います。3月に出演した『あさイチ』で、仕事と学業の間で悩んでいた中学生の時、朝ドラ『おひさま』に勇気とパワーをもらい『自分もいつかここに立って、(視聴者の)みなさんを少し笑顔にできたらいいな』と思ったこと、そこから朝ドラのオーディションを3回受けたことを告白していました。運だけではなく、実力で道を切り開いていく姿勢が垣間見え、彼女自身の意思の強さと芯の強さを感じました。カスタマーファーストの新入社員を演じた『正直不動産』も、彼女らしい優しさが伝わってくる役柄でとても印象的でしたし、続編も非常に楽しみです」

 大人の女性になった福原がその演技力を武器に、今後どんな役を演じていくのか楽しみだ。

(丸山ひろし)

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