AERAムック『大学院・通信制大学2025』より 撮影/門間新弥 ヘアメイク/坂口勝俊
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TBSアナウンサーとしてキャリアを重ねながら、一念発起して大学院でMBAを取得した出水麻衣さん。7月10日発売のAERAムック『大学院・通信制大学2025』(朝日新聞出版)では、「想像の100倍」になったという学びの収穫について語ってもらった。

出水麻衣アナウンサーの学びの履歴はこちら

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「20代の頃、私の最良の選択はアナウンサーという職業に挑戦したことでした。そして30代で大学院の門を叩いたことは、当時の自分を『よくやった!』と褒めてあげたいくらい、いい選択だったと思うんです」

 TBSアナウンサーの出水麻衣さんが、熱のこもった声でハツラツと語る。多忙な業務のかたわら、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)に通い、2023 年に経営学修士(MBA)を取得した。大学院で〝学び直し〞に挑戦した背景には、自身の仕事への姿勢に対する焦りがあったという。

 夢を叶えた先でモヤモヤ 思い出した知人の言葉

 アナウンサーという職業を意識したのは、高校3年生のころだ。

「大学入試の面接官に『いい声ですね、アナウンサー志望ですか?』と声をかけていただいて。私のような普通の女の子でも目指していいんだと、この職業への距離がぐっと縮まりました」

 大学時代には、格闘技大会のCS放送の学生キャスターに採用された。

「リングサイドにいると血や汗が飛び交って、すごい迫力なんです。試合に臨むまでの努力や情熱が選手たちの背中からにじみ出ていて、このスポーツの感動を伝えたいと本格的にアナウンサーを志しました」

 夢を叶え、念願のスポーツ番組を担当した。報道の仕事も増えて充実した日々を過ごしながら10年以上が経ったとき、ふと自分の足元を見つめた。

「アナウンサーとして担当する番組の幅が広がっていく一方で、自分の経験値の範囲だけで仕事をこなしてしまっているのではと、なんとなくモヤモヤしていたんです。このままだと自ら成長を止めてしまうのではないかと」

 そんな中、コロナ禍となりプライベートの時間がぽっかりと空いた。ふと思い出したのが、数年前に知人からかけられた「勉強でもしてみたら?」という言葉だった。会社の先輩にWBSの卒業生が複数いたため話を聞くと、大学院進学への夢が膨らんでいった。

「情報番組やニュースにおいてアナウンサーは、記者などによってある程度推敲された内容を伝えるため、0から1を作りだす企業人としての能力が抜け落ちているのではと感じていました。その点、WBSは規模が大きく、在学生の業界や役職、バックグラウンドも非常に多様なため、周囲から学べる機会も多いと思ったんです」

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